ChatGPT Team 導入コスト試算シート付き解説
「ChatGPT Team(チャットGPTチーム)」は、OpenAI が提供するビジネス向けプランです。
月払いは1 ユーザー 30 USD、年払いは25 USD / 月(12 か月分一括)で、最低 2 名から契約できます。
本記事では価格だけでなく、セキュリティ機能や Plus・Enterprise との違いを初心者でも理解できるよう整理します。
最後に、ユーザー数を入力するだけで年間費用を自動計算できる Excel 試算シートの作り方も紹介します。
ChatGPT Team とは?
Team は「小〜中規模チームが AI を安全に共有する」ためのプランです。
無料版や Plus 個人契約と異なり、専用の ワークスペース でメンバーを一括管理でき、入力したチャットは モデル学習に使われません。これにより社内機密を含むプロンプトでも安心して活用できます。
料金モデルの早見表
支払方法 | 月額(1人) | 年間総額例(5人) | 特徴 |
---|---|---|---|
月払い | 30 USD | 30×5×12=1,800 USD | いつでも解約可、短期テスト向き |
年払い | 25 USD | 25×5×12=1,500 USD | 月払いより 300 USD お得 |
為替レートを 1 USD=150 円 で計算すると、5 人・年払いの場合は約22.5 万円/年。Plus を 5 人が個別課金した場合(20 USD×5×12)と比べると、プラス 7.5 万円でワークスペース管理とセキュリティ保護を手に入れられる計算です。
Excel 試算シートの作り方
以下の手順で「ユーザー数」と「支払方法」を入力すると年間コストが自動表示されるテンプレートを作成できます。
- A2:「ユーザー数」、B2:「支払方法」と入力(プルダウンで
月払い
/年払い
)。 - C2 に数式
=IF(B2="年払い",25,30)
で単価を自動選択。 - D2 に
=C2*A2*(IF(B2="年払い",12,1))
で総額を計算。 - 円換算が必要なら E2 に
=D2*為替レート
。
この方式なら、管理者が人数を変えるたびに費用見通しをすぐ更新できます。試算シートをチームの共有ドライブに置き、予算策定や稟議(りんぎ)で共通資料として使うと便利です。
セキュリティ機能をやさしく解説
- 学習オフ: ワークスペース内の会話はモデルの再学習に使われません。
- SAML SSO: Azure AD や Okta と接続して、社内アカウントでログインできます。
- MFA: 多要素認証を必須にして乗っ取り防止。
- 暗号化: 通信時も保存時もデータは暗号化(TLS1.2+ / AES-256)。
より厳格な監査ログやデータ地域指定(日本リージョン固定など)が必要な場合は Enterprise へのアップグレードを検討しましょう。
Plus・Enterprise と何が違う?
機能 | Free | Plus | Team | Enterprise |
---|---|---|---|---|
GPT-4 利用 | 制限あり | ○ | ○(32K) | ○(128K) |
データ学習オフ | × | 設定可 | 既定でオフ | 既定でオフ |
SSO | × | × | ○ | ○+SCIM |
ユーザー上限 | 1 | 1 | ~149 | 150~無制限 |
サポート | コミュニティ | メール | メール | SLA付き |
導入メリットと注意点
メリット
- 同時利用が増えても GPT-4 が混雑しにくい。
- メンバー追加・請求が 一元管理 でき、経理処理が楽。
- カスタム GPT をチーム全員で共有できる。
注意点
- 1 名利用だけなら Plus の方が安い。
- 監査ログや分析ダッシュボードは Enterprise 限定。
- ワークスペースを解約するとチャット履歴の一括ダウンロードができない。
導入ステップ
- 管理者が OpenAI 公式サイトで Team Workspace を作成。
- クレジットカード登録(請求先住所は会社情報)。
- SSO を設定(任意)。
- メンバーをメール招待し、利用ガイドラインを共有。
- Excel 試算シートで費用と効果を定期レビュー。
まとめ
ChatGPT Team はセキュリティとコストを両立しながら AI をチーム全員で使えるプランです。
「まずは 2〜20 名で AI を業務に取り入れたい」という企業には、最も手軽で安全な選択肢と言えます。
この記事と Excel テンプレートを活用し、コスト見通しを明確にした上で、ぜひ導入を検討してみてください。