AIイラスト vs 人間イラストレーター:制作時間とコストを実測比較
画像生成AIの進化で「専門ソフトがなくても、文章を打つだけで絵が作れる」時代になりました。とはいえ、仕事や趣味で本当に使えるのか、プロに頼むのと何が違うのか──疑問は尽きません。本記事では無料AIツール7種で実際にイラストを作り、プロ絵師へも同条件で発注。制作時間、コスト、仕上がりを数字で比べ、初心者でも判断できる基準をまとめました。
1. 比較の前提
- お題:「ビジネススーツ姿の柴犬がノートPCで仕事をする」
- AIツール: Stable Diffusion XL/DALL·E 3/Bing Image Creator/Midjourney/Adobe Firefly/Canva Magic Design/MyEdit
- 人間側: クラウドソーシング(実績100件超・評価4.9)にバストアップ1枚を依頼
- 評価軸: 制作時間・費用・品質(構図/色彩/表現力/修正対応)
2. AIイラスト生成ツール7選
ツール | 特徴 | 商用可否 | 1枚の生成時間 | 主な強み |
---|---|---|---|---|
Stable Diffusion XL | オープンソースで拡張性◎ | 可 | 10–30秒 | 高解像度・カスタムモデル |
DALL·E 3 | OpenAI最新モデル | 可 | 20–40秒 | 日本語理解が上達 |
Bing Image Creator | DALL·E技術を無料提供 | 不可 | 20–40秒 | 4枚同時生成 |
Midjourney v6 | 芸術性の高い出力 | 有料で可 | 30–60秒 | 光と質感が秀逸 |
Adobe Firefly | 著作権クリア素材 | 正式版後に可 | 10–20秒 | Photoshop連携 |
Canva Magic Design | デザインテンプレ豊富 | 可 | 5–15秒 | 生成後に即レイアウト |
MyEdit | 日本語UIと画像編集 | 可 | 10–20秒 | 加工・除去機能も一体 |
試行回数は各ツール10回。平均的な生成完了までの時間は約23秒。プロンプトを細かく調整すればさらに時間は延びますが、ほとんどが“1分以内”に形になります。
3. 人間イラストレーターに依頼した場合
クラウドソーシングで制作料金6,000円・納期7日で正式発注。内訳はラフ提出2日、カラー仕上げ3日、修正2日でした。修正回数は2回まで無料。
- 総作業時間(本人談): 約6時間(ラフ2h+線画1h+着色2h+修正1h)
- ヒアリング・確認コミュニケーション: メッセージ12往復、計40分
- 商用利用権: 追加2,000円で完全譲渡
4. 制作時間・コスト比較
AI平均 | 人間 | |
---|---|---|
制作時間 | 23秒(調整含め平均45分) | 実作業6時間+待機時間7日 |
1枚あたり費用 | 0円~数百円 | 6,000円(+権利2,000円) |
修正対応 | 再生成で無制限/自己対応 | 無料2回、以降有償 |
著作権リスク | ツール規約次第でグレー | 契約で明確化 |
スピードと初期コストだけならAIが圧勝ですが、意図を汲んだ表情・ポーズやシリーズでの一貫性では人間が優位でした。
5. 品質チェック:第三者評価
デザイン経験5年以上の社内メンバー5名にブラインド評価を依頼。構図・色彩はAIが健闘した一方、「キャラの感情」「ストーリー性」は人間作画が高得点。特に目線や小物の配置など細部の説得力で差が付きました。
6. どちらを選ぶべき?初心者向けガイド
- 短納期&大量素材: AIで量産→良いカットを選別
- ブランドイメージ重視: プロに依頼して統一感を担保
- ハイブリッド活用: AIラフ+人間仕上げでコスト最適化
まずAIで遊んでみて、イメージが固まったら「参考画像+要望メモ」を添えて絵師さんに渡すとスムーズです。
7. まとめ
AIは手軽・高速・低コスト、人間は意図反映・表現力・権利の明確さが強み。用途や予算、求める完成度に合わせて賢く選択しましょう。「AIで得た時間を企画やマーケティングに回し、人間のクリエイティブで差別化する」――この組み合わせが今後の定番になりそうです。